ここ数年、発音しにくい聞き慣れない名前が英語圏のミュージシャンたちの口にのぼるようになった。セルジュ・ゲンズブール。「ザ・ビートルズ」と言い慣れている彼らは、この変わった名前をうまく発音するのに苦労する。しかし何という名前だろう!セルジュ・ゲンズブール、シンガーソングライター/ピグマリオン/俳優/映画製作者/作歌/エンターテイナー/アジテーター/ギャンブラー/レディスマン...多くの才能が20世紀のフランス文化そのもののようにきらめくプリズムを構成し、その輝きはフランス国境を越え、世紀を越えて拡がり続けている。 数年前、スーパースターのマドンナとアンダーグラウンドの予言者ジョン・ゾーンが揃って熱心に(しかし別々に)ゲンズブールを賞賛したことがあった。英国のグループ、ポーティスヘッドはマシブ・アタックの「Karmacoma」の大胆なリミックスの中で、メロディ・ネルソンのアルバムの「Cargo culte」の雰囲気を再現している。 ゲンズブールのソウルからベックは「Paper tiger」をそっくり借りているし、数え切れないほどのアーチストが彼の曲をカバーしている。フランスでも国外でも(AirからSonic Youthまで)多くのアーチストが「影響を受けたアーチスト」として彼の名を挙げている。初めての本格的な英語版のゲンズブールのバイオグラフィ「A fistful of Gitanes(一握りのジタンヌ煙草)」(シルヴィー・シモン、ジャーナリスト著)ではゲンズブールを世界的な舞台における音楽的、文化的なアイコンとして描いている。 しかし長い間英国ではジェーン・バーキンと二人で歌った「ジュテーム・モワ・ノン・プリュ」のレコードジャケットの印象が強い。このシングルはBBCが放送禁止処分にし、バチカンでも同様の扱いを受けたが、1969年には英国のヒットチャートでトップに立った。またブリジット・バルドー、カトリーヌ・ドヌーブ、イザベル・アジャーニ、ヴァネッサ・パラディというフランスを代表する4人の女優を「歌わせた」こともよく知られている。テレビの生番組でホイットニー・ヒューストンを驚かせたことも。だから英国では彼のアルバムのタイトルにあるように、キャベツ頭をしたセックスマニアという印象が強いのだ。 しかし彼の広汎なレパートリーを探索してみたことのある人は、ゲンズブールはチックの多い変わり者と決めつけてしまうことのできるアーチストではないことを知っている。およそゲンズブールを「まとめる」などということはできないのだ。いろいろな角度から見れば見るほど大きく拡がってくるこのアーチストを、ある角度からその全貌をとらえるというようなことは不可能である。 ーチがとられたが、彼の全貌をとらえようとい国外でよくこのようなアプロうような試みは際限のないものになる。殆どの人は、彼がパリ左岸のキャバレー、サンジェルマンのセラーに出入りするうち人気を集め、ボードレールの詩とボリス・ヴィアンのジャズをミックスし、ラウンジミュージックのエキゾチックな香りをふりかけた音楽を作っていたことを知らない。またポップの動きを変えてロンドンの若者たちを感化し、女の子たちに新鮮な曲をふんだんに提供した(シュガースパイスピルのように)。映画のサウンドトラック盤、「イニシャルBB」や「メロディ」のような濃密な映画的手法のアルバムにも驚かされるし、レゲエの「ラ・マルセイエーズ」ではジャマイカから、デジタルファンクの嵐の中ではニューヨークからメッセージを発信している。 ゲンズブールの中にはクラシックとモダンの両方が共存している。超古典的な面(完璧な韻は19世紀のフランス貴族の館の庭園の完璧な刈り込みを思わせるし、メロディはショパン、ブラームスを思わせる)、そして超モダンな面(デヴィッド・ボウイのようなアバンギャルドなもの全て)があり、偉大なフランスの雄弁家ボシュエを思わせる語彙をスラングと大胆に組み合わせる。これら全ての理由から、ゲンズブールは時を経るにつれて次第に巨大な存在となり、近づく人にそのイメージが重くのしかかってくるような存在になった。彼の曲を演奏しようとするフランスのアーチストにとっては特にそうで、ゲンズブールのオリジナルの威力の前に、曲の一番に入る前から緊張のあまり腰がひけてしまう。一方ゲンズブールと近く接したことのある人たちは、他のアーチストのアレンジ、特にオリジナルを解体して別のものを構築するというような試みをゲンズブールが喜んで聞いたことを知っている。彼自身も言っているように、マイナーアートである楽曲は崇拝の対象ではなく、むしろいろいろにひねって楽しめばよいということだ。 彼が最後の煙草ジタンヌを吸って亡くなってから15年経つ。その機会にジャン=ダニエル・ボヴァレ、クリスチャン・フェヴレ、ティモテ・ヴェレッキアによりゲンズブールのカバーアルバムが企画されたが、フランスの文化にどっぷりと浸かっ
01. FRANZ FERDINAND – JANE BIRKIN / A SONG FOR SORRY ANGEL Original title Sorry Angel 02. CAT POWER & KAREN ELSON / I LOVE YOU (ME EITHER) Original title Je t'aime moi non plus 03. JARVIS COCKER & KID LOCO / I JUST CAME TO TELL YOU THAT I’M GOING Original title : Je suis venu te dire que je m'en vais 04. PORTISHEAD / REQUIEM FOR ANNA Original title : Un jour comme un autre (sous titre de « Anna ») 05. FAULTLINE, BRIAN MOLKO & FRANCOISE HARDY / REQUIEM FOR A JERK Original title : Requiem pour un con 06. MICHAEL STIPE / L’HÔTEL Original title : L'hôtel particulier 07. TRICKY / AU REVOIR EMMANUELLE Original title : Good bye Emmanuelle 08. MARIANNE FAITHFULL / LOLA R. FOR EVER Original title : Lola Rastaquouere 09. GONZALES, FEIST & DANI / BOOMERANG Original title : Comme un boomerang 10. MARC ALMOND & TRASH PALACE / BOY TOY Original title : I'm the boy 11. PLACEBO / THE BALLAD OF MELODY NELSON Original title : La ballade de Melody Nelson 12. THE RAKES / JUST A MAN WITH A JOB Original title : Le poinçonneur des Lilas 13. THE KILLS / I CALL IT ART Original title : La chanson de slogan 14. CARLA BRUNI / THOSE LITTLE THINGS Original title : Ces petits riens